製作の契機
・以前製作した50MHzヘンテナは気に入ってたのですが、
1.給電部の取り付けが面倒になった。
2.上下のエレメントが約1m程度あり移動の際持ち運びが不便。
3.縦方向のエレメントの長さが約3m程度あり、手軽に持ち運びできる4.5m釣竿では地上高がやや少ない感じ。
と思い始めたのでこれらを克服したループアンテナを製作してみました。
50MHzループアンテナの構造、今回製作する寸法等を示します。
・ループアンテナを釣竿に固定する際、「A」(上側:小と中目玉クリップ)/下側:マジックテープ等)で固定します。
・移動運用できるように仕舞い寸法を約30cm(上下エレメント)にしました。製作は 50MHz F9FTアンテナの製作方法/50MHz 2ele位相給電アンテナの製作方法
を踏襲しました。
・極力SWR1.0にするため、バランとマッチングコンデンサをケースに入れるようにしました。
・ここで使用するアルミパイプ6mmφ0.5mm厚のつなぎ、加工方法は 50MHz F9FTアンテナの製作方法を参照下さい。
・コアは、FT-114-43。
・コアをねじった2本線で5回巻き。
・マッチングコンデンサ(マイカコンデンサ)は正確に何pFにするか不明なことと、バリコンでもよいのですがここでは簡単でしかもローコストでSWRが調整できる同軸ケーブル1.5D-2Vを代替えに使用しました(1cm=約1pFを利用する)。
主要部材
・縦エレメント(約2.4m×2本)は、サガ電子工業製 透明ビニール被服(超軽量アンテナワイヤー MODEL AW_2.8が軽くて強く、らい絡みづらいのでFB、こちらを使用しました。取扱は、
ハムランド でも取扱されています。
・上下エレメント(約0.94m(0.32m+ 0.3m+ 0.32m「3分割時」)) 6mmφ0.5nn厚。
上下エレメント中継用( 50mm×4本) 約5mmφ0.5mm厚。
近所のお店で取り扱っていなかったため「HIKARI
MOGOL(光モール)」 (アルミモール - アルミ丸パイプ 07年1月5日現在)から通販で購入しました。
・コア FT-114-43 ×1個。
ハムランド でも取扱されています。
・BNCコネクタ(またはM型コネクタ) ×1個
・ケース(バラン、マッチングコンデンサ等を収納させる)
・同軸ケーブル 1.5D-2V 500mm程度 ×1本
・ABS丸棒 外径5mmφ(アルミパイプ下側中継用) 10cm(任意)程度 ×1本
・ABS丸棒 内径6mmφ(アルミパイプ上側で釣竿固定用) 20cm(任意)程度 ×1本
・小目玉クリップ ×5個
・中目玉クリップ ×1個
・たこ糸
・ウッドビーズ ×4個(上下エレメント固定用)
・ストッパー ×4個(上下エレメント固定用)
・M3ネジ等
*ここでは、アルミパイプ6mmφ(32cm×4本、30cm×2本)、アルミパイプ5mmφ(5cm×4本)を既に加工しています。
・今回使用したABS丸棒
製作
・上エレメントのセンターにABS丸棒10mmφ(外径、6mmφ内径)を挿入
・アルミパイプ6mmφにABS丸棒5mmを挿入
・ABS丸棒をアルミパイプに挿入し、5mm離した状態で3mmφの穴を空け加工します。
・ケースに、下エレメント部分とBNCコネクタ(またはM型コネクタ)用の穴を空け加工します。
・下エレメントを組立てる際、たこ糸を引っ張る部分はケースの近くに配置しました(任意)。
・コア FT-114-43 に5回巻き付けた先を下エレメントに巻き付けます。
・コアとコネクタをハンダ付けします。
・マッチングコンデンサとなる同軸ケーブル1.5V-2Dを先のコアと一緒に下エレメントに巻き付け、ハンダ付けします。
・ストッパーの種類にもよりますが、移動運用時にうっかり落としてしまうことがあるので下写真のように結びました。
・ウッドビース(他のもので代替えしても構いません)
・縦エレメントの上側用(小目玉クリップとハンダ付け)
* 下側は、周波数調整用に使用しますのでここではまだハンダ付けせず、透明被覆を剥がしておきます。
・ループアンテナの構造の絵で「A(上側)」で固定する部分。小、中目玉クリップをM3のネジで留めします。
・上エレメントと使用する釣竿に目玉クリップを取り付け、取り付けや角度に問題ないかT字(ここでは畳み)で確認し、ハンダ付けします)。
・釣竿のセンターが組立て時容易にわかるように油性ペンで印しておくといいと思います。
・上下エレメントのイメージ(マッチングコンデンサ(同軸ケーブル調整前))
組立て、調整
・釣竿に上エレメントを目玉クリップを使用して固定します。強風以外はこの方法で十分だと思います。
・上エレメントの両側に小目玉クリップを取り付けます。
・下エレメントは被覆を剥がした線を同一長さでクリップで調整用に仮止めします。
〜 調整方法 〜
1.そのままの状態で共振周波数、SWRを測定する。
2.共振周波数の変更は、縦エレメントの長さを可変
SWRを下げるには、マッチングコンデンサ(同軸ケーブル)の長さを調整(カット)する。
・共振周波数は、50.250MHzと決めました。
・調整開始直後は、共振周波数は53MHz付近、SWRも6以上あってお話になりませんでした。
まずは、縦エレメントを大きく5cm可変させ、まずは共振周波数がどうなるか様子を見ます(私の場合は共振周波数を下げなければならないので5cm短くしました)。これを数回繰り返すとある程度共振周波数が見合った値にあります。またならなくとも共振周波数が可変することがわかれば結構です。
次にマッチングコンデンサ用同軸ケーブルをニッパでカットしていきます。SWRが6程度で高い場合は3cm程度、SWRが2以下の場合は、5mm程度カットすると下がると思います。
縦エレメントの長さ、マッチングコンデンサ用同軸ケーブルをカットを根気よく繰り返すことにより、目的の共振周波数、SWRも1.0とバッチリ調整できます。
・ここは焦らずじっくり調整に時間をかけましょう。写真を撮ったりしてましたので調整に約1時間程度かかりました。
SWR
・目的周波数に合ったSWR値、カーブとなった。
・SWR1.5以内の周波数幅 50.644 - 49.825 = 0.819(MHz) よって 820(kHz)の幅 //
・SWR1.2以内の周波数幅 50.502 - 50.001 = 0.501(MHz) よって 500(kHz)の幅 // となった。
ループアンテナのSWR
・以前製作したヘンテナと比較して周波数幅がループアンテナの方が広いことがわかる。
ex.・SWR1.5以内の周波数幅 50.57 - 49.92 = 0.65(MHz) よって 650(kHz)の幅 でループアンテナの方が周波数幅が広い
//
ヘンテアンテナのSWR(ご参考)
・マッチングコンデンサ用同軸ケーブルでSWRを調整し長さを計りました。
・41.5cmであることから 41.5(pF)となります。
・同軸ケーブルをケースに収納します。同軸ケーブルの先端が他に不用意に接触しないよう接着剤等で固定しておきます。
・縦エレメントは最終的に236.2(mm)
・縦エレメント調整後、線がむき出しになっているので収縮チューブを被せました。
質量
・アンテナ部分(3分割折り畳み式)はしめて、210(g)となりました。
運用
・07年1月24日(日)、神奈川県津久井郡城山町(JCG#11005C)移動
4.5m高さの釣竿で物足りないかな?と思ったがヘンテナとほぼ変わらない信号でした。
ヘンテナも同様ですが方向性によって近距離もずいぶん信号が変化するため、
手モテータもどき?が必要かな?Hi。
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