製作の契機
移動運用で3.5/7MHz帯はモービルホイップで手軽にQRVすることがありますが、トップバンドである1.9MHz帯は波長160mともあって市販品も見当たらず、またDPもかなりの長さとなってしまうため容易にQRVすることができません。
今回、簡易的ではありますが簡単に移動運用が可能なホイップアンテナ(*1)を製作してみることにしました。
*1 CQ誌 2003年3月号「1.9MHz用ホイップアンテナを作る」より
概略
今回、製作のイメージを以下に示します。
・3D-2V 6m(上/下エレメント用)
・ペットボトル(ペプシコーラか三ツ矢サイダーは中央部分が平らになって銅線を巻くのに都合がよい。お茶系または他の炭酸系は丸くなっておらずお勧めできません)
・アース線(必要分、私は10m用意しました。車に直接アースするためその分の長さでよいかと思います)。
・PG-ANT100(10m釣り竿) カーボン製でなければ可。また6m程度のものでも可。
・1.2mmΦ銅線約30m(絶縁もの) 92T用
・1.2mmΦ銅線約3m(非絶縁もの) 8T用
・自在ブッシュ 7T用
製作
・ペプシコーラのペットボトルの中央平坦部分は約100mm。1.2mmΦを93T巻き付けるので少しだけ平坦部分からはみ出し、また後で7T(非絶縁銅線)部分を追加するので、その点を考慮して巻き付けの配置を検討します。
・銅線(絶縁)銅線をペットボトルに巻き付けます。途中でほどけないよう予めペットボトルに両面テープを長めに張り付けて巻き付けします。92T巻き付け完了後、両面テープの余った部分で折り返しすることにより端の銅線が外れないようになります。
・さらに銅線の端がほどけないように、ペットボトルに穴を空け、そこに通しておきます。
・銅線を92T巻き付ける際、何T巻き付けたかがわからなくなりますので私の場合は、10T毎に赤で印をしていきました。
・ペットボトルに92T巻き付けた時の質量を計ってみました。
・約320g。
・非絶縁(SWR調整用、T短絡用)を8T自在ブッシュを用いて巻き付けます。ペットボトルの上、下側どちらでも構いません。私は下側にしました。
・コイルの銅線と上、下エレメント接続はダイレクトにハンダし、テープ、タコ糸で締めつけ、上、下エレメントの同軸(3D-2V)を固定しました。
・SWR調整用(T短絡用)線を用意します。ペットボトル1周分あれば十分です。
・使用する釣り竿に合わせて、ペットボトルのフタ部分、底に穴を空けます。
・下エレメントの部分は、ケースサイズに合わせてBNCコネクタ(無線機と接続)、4つの端子からアースを取るようにしました。面倒な場合は下エレメントをM型コネクタにしておき、そのまま無線機と接続(アースはそのまま車のボディーでアースとなる)しても構いません。今回、私の場合は、車のボディーと合わせてカウンターポイズを兼ねようと考えていたためです。後ででてきますが車のアースだけで十分にSWRが落ちました)。
・今回製作した1.9MHzホイップアンテナの質量。
・約670g。
調整
・SWR調整用(T短絡用)を用いて1.8/1.9MHz帯を調整します。
・SWRは車のボディーから取ることでかなり下がります。
・まずは共振周波数を調査しましょう。
・1.8/1.9MHz用ホイップアンテナ
・調整時、アースは車のモービルアンテナ部分を使用しました。
・100T時、1.813kHzに共振(SWR1.0)
・93T時、1.901kHzに共振(SWR1.15)
・下エレメント4.5m → 4.0mへ変更、ほとんど変化なし。
・調査した結果、
1.かなりクリティカルであった。
2.0.5kHz当たりSWR0.1程度上昇する(1kHz当たりSWR0.2)。
3.12.57kHz/1T当たり
となった。
よって、
1.8MHz帯(1.810〜1.825kHz)のセンターにするためのTは、99.7T //
1.9MHz帯(1.907.5〜1.912.5kHz)のセンターにするためのTは、92.8T //
となる。
その時の各バンドのSWRカーブを以下に示します。
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