◆ QRP用ANT マッチングチューナ編 ◆

 * 無断転載は厳禁です。
 * 掲載について快く承諾いただきました 児玉さん(JR3GOX局長)」に心より感謝いたします(06年7月7日)

 QRPでアンテナのマッチングをとる場合、市販のアンテナチューナではチューニングすることができません。
 たとえば、EQT−1(7MHz 100mW)、MX−6Z(50MHz 250mW)等。
 今回、QRP用アンテナインピーダンス整合用QRP用ANTマッチングチューナが発売されておりました
 ので製作(7〜10MHz用)してみることにしました。
 マッチング回路は C−L−CのT型で、
  1.モノバンドで作る場合は、広範囲の整合が可能
  2.但し高調波等の軽減は期待できない
 コイルの巻数、バリコンの容量を切替えスイッチを設けたりすることで他の周波数に利用可。

★仕様★
 周波数       7〜14MHz
 PEP        〜3W
 出力インピーダンス 2.5kΩ 整合可能
 コネクタ       BNC
 マッチング方式   C−L−C T型

 ・写真をクリックすると大サイズで表示します。



・マッチングチューナのキット一式
 (ケースは付属していません)



・ケースはEQT−1の大きさに合わせて 富士シャーシ FC−14Bを
 選びました。




・キットの中身




・富士シャーシ FC−14Bの大きさに合わた表示
 (付属品ではありません。好みに合わせて製作します)





・ブリッジ部分の100Ω抵抗を2個(50Ω)を3個取り付け。




・フェライトビーズに0.2mmウレタン線2本を使用。




・ウレタン線をよくよじって5回巻き、先を紙やすりで削りテスターで
 導通を確認し、プリント板に実装します。




・ダイオード、コンデンサを取り付けます。




・インピーダンス検出回路の製作、完成。






・Lに、0.6mmのウレタン線を24回巻き付けます。詰めて巻き付けると
 丁度いい具合に納まります。先を紙やすりで削りテスターで
 導通を確認しておきます。




・富士シャーシ FC−14Bを加工します。背面側にBNCコネクタ
 (TX/ANT)2個分も加工しておきます。






・ケースにメータ、スイッチ、PVC(ポリバリコン)等を取り付けます。






・BNC(TX)とプリント板間を同軸ケーブルで接続します。








・PVC(ポリバリコン)のB/C端子を太めの線で接続します。




・BNC(ANT)とPVC(ポリバリコン)のA端子間を同軸ケーブルで接続します。
 この時点ではアースはまだ接続していません。




・メータを結線します(ポリバリコン右をハンダコテで少し焼いてしまった(笑




・VR(可変抵抗)とプリント板間を接続します。




・PVC(ポリバリコン)A端子とプリント板間を接続します。




・Lを取り付けます。






・ケースの蓋(ふた)をして完成(ラベルは7−10MHzとなっていますが7−14MHzが正解です)












・EQT−1とベストマッチ。




・QRPチューナの動作をチェックしました。




・目的の周波数のインピーダンスが50Ω時以下の表示となります。




・50Ωで整合時のメータの位置。




・EQT−1(他の3W以下のRIGでも可)で
 1.SWをブリッジ側にする。
 2.感度調整(VR)を中心付近にする。
 3.EQT−1(RIG)よりキャリア信号を送出、VRがフルスケール(最大の振れ)に調整。
 4.2つのPVCで、メータが最小となるよう調整(最小で50Ω整合)。
 5.運用時には、SWをスルー側にする。


 感想

★ここが良かった、よさそうな点★
・本マッチング回路で、コイルの巻数、バリコンの容量変更で他のバンドへの流用が可能。
・EQT-1のように100mWクラスのQRPpでも調整が容易(これは嬉しい)。
・他のキットも同様だが、回路毎に製作ができるように工夫されており、回路図を参照しながら製作するので頭にイメージが残りやすい。
・SWがプリント板に時下付けできて余計な配線をせず作業が楽。
・0.2mmのウレタン線(赤、みどり)で2色用意されており接続先がわかりやすい。
・出力インピーダンス2.5kΩで、DP(ダイポール)アンテナを整合(極力50Ω)に調整するにはもってこいの一品(これで周囲の影響があったとしても気軽に運用(移動)すくことができる。

★ここが気になる、よくないと思われる点★
・仕様で、折角100mWでもチューナの機能を満たしているので取扱説明書にもっとPR(記述)してもよいと思いました。
・100Ω2個付けはやはり面倒(50Ωにするため仕方がないのですが)。
・インピーダンス検出回路の製作で、ダイオード、コンデンサの取り付け記述がなかった。(4)、(5)の間にあるとよいと思う。また親切心?でダイオードの向きはあってもいいかも。
・PVC(B端子、C端子)同士を太い線材で接続。。とありますがその線材がキットに含まれておらず自前の線を使用した。
・マッチング回路の製作で、メータ、VRの接続方法の記述(確かに回路図を見ればよいのですが)がなく、途中から製作に悩んだ。インピーダンス検出回路から細かく製作方法が記述されていますが途中で「尻切れトンボ」のような説明文となっているように思える。
(製作できないという意味ではありませんので念のため、簡単に製作することができました)
・価格が若干、高いように思える。4〜4.5k程度だと嬉しい。

これからは実際にEQT−1にQRPチューナを接続し移動運用してみたいと思います。
実運用しましたらまたレポートしていきます。

 
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